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コラム

「色が見える化」される安心感。デジタル色管理がもたらすお客様とのスムーズな合意形成

マンションやビルの大規模修繕では、外壁タイルの補修は建物の見た目と資産価値を守るうえで欠かせない工程です。ところが、実際の現場では「既存タイルと新しいタイルの色をどこまで揃えられるか」という、とてもシビアで難しい課題が常について回ります。

「サンプルでは良さそうだったのに、本番の仕上がりが微妙に違う」「何度も試作しても、しっくりくる色にならない」。

こんな状況に心当たりがある管理組合の方や修繕担当者の方も多いと思います。従来のタイル製造は、職人の経験と勘に頼る部分が大きく、どうしても色の再現性に限界がありました。この「色のあいまいさ」が、お客様と施工側のスムーズな合意形成を妨げる大きな要因になっていたわけです。

でも今は、デジタル技術の進化によって、この長年の課題にようやく現実的な解決策が見えつつあります。タイル補修の常識そのものが、静かに変わり始めています。

本記事では、補修タイル専門店「リペアタイルラボ」が採用している「デジタル色管理」というアプローチに焦点を当てます。この技術がどうやって色を「見える化」し、お客様にこれまでとは違う種類の「安心感」を届けているのか。そして、そのことが大規模修繕全体の合意形成とプロジェクトの成功にどうつながるのかを、少し踏み込んでお伝えしていきます。

1. なぜ、補修タイルの「色合わせ」は難しいのか?従来の課題

大規模修繕でタイル補修に携わっていると、色合わせの難しさはほぼ避けて通れません。その背景には、従来のタイル製造プロセスが抱えてきた構造的な問題があります。デジタル技術が入ってくる以前、色合わせはほとんどが熟練職人の「目」と「勘」に頼った作業でした。

職人の「勘」と「経験」に依存するアナログなプロセス

従来のタイル製造における色合わせは、良くも悪くも「職人の世界」でした。

目視による色合わせでは、職人が既存タイルを目で見て、どんな釉薬をどのくらい混ぜるかを判断します。釉薬はタイル表面に塗る薬品で、焼き上げることで色やツヤが出ます。長年培ってきた色の感覚が頼りですが、その日の天候や照明、体調などでも微妙に見え方が変わるため、どうしても主観に引っ張られやすい方法でした。

手作業による釉薬の調合では、いくつもの顔料を少しずつ組み合わせて狙った色に近づけていきます。ただ、顔料のロットごとの違いや、混ぜ方のわずかな誤差が最終的な仕上がりに影響してしまい、狙ったとおりにいかないことも多くありました。

そこに追い打ちをかけるのが焼成による色の変化です。タイルは高温の窯で焼くことで色が決まりますが、窯の温度ムラや湿度、焼く時間などによって釉薬の反応が変わり、色も変化します。この窯変を完全に読み切ることは難しく、焼き上がるまで正確な色は分からない、というのが現実でした。

実際、築25年のマンションで外壁のベージュ系タイルを一部補修したケースでは、既存タイルに寄せるために4回も試作を繰り返すことになりました。「今回は黄色味が強い」「今度は赤味が足りない」といったやり取りを重ね、最終的な合意に至るまでに2か月近くかかったそうです。

このように、いくつもの不確定要素が重なるため、一度で完璧な色を出すことはほぼ不可能に近く、どうしても試作と焼成を何度か繰り返す必要がありました。この試行錯誤が、タイル製造に時間とコストがかかる大きな要因になっていたわけです。

1-1. お客様との間に生まれる「認識のズレ」

アナログな色合わせは、技術面の難しさに加えて、お客様と製造側の間に「見えないズレ」を生みやすい点も問題でした。

まずサンプルの限界があります。管理組合や担当者の方は、小さなサンプルタイルを見ながら、実際に外壁一面に貼られたときのイメージを頭の中で組み立てる必要があります。しかし、面積が大きくなると色の印象が変わる「面積効果」や、昼間の自然光と夜の照明での見え方の違いもあり、サンプルと完成後の印象にギャップが出やすい状況でした。

さらに、言葉で色を伝える難しさもあります。「もう少し赤味を抑えて」「もうちょっと落ち着いたトーンで」といった感覚的な表現は、人によって受け取り方が変わります。その結果、作り手とお客様との間で解釈の違いが生まれ、やり直しや行き違いの原因になっていました。

何度も試作が続くと、繰り返される試作への不信感も出てきます。「本当にこちらのイメージを理解しているのか」「技術的に難しいのに、できると言っているだけではないか」といった疑念が生まれやすくなり、関係性にも影響してきます。

ある管理組合の理事長の方は「業者さんからは『次こそ大丈夫です』と言われるのですが、出てきたサンプルを見ると毎回どこか違う。住民説明会でも『本当に大丈夫なのか』と質問が相次ぎ、役員会でも話がまとまりにくくなってしまいました」と話していました。

このように、従来のタイル補修における色合わせは、技術的なハードルに加えて、コミュニケーションのズレも抱えた、なかなか厄介なプロセスだったと言えます。「色の不確実性」と「認識のズレ」が、大規模修繕の現場にとって見えにくいコストとなり、関わる全員に負担をかけてきたのです。

2. デジタル色管理がもたらす革命:「色の見える化」という安心感

こうした従来型の課題をまとめてひっくり返そうとしているのが、リペアタイルラボが導入している「デジタル色管理」です。これは、職人の感覚に頼っていた色合わせを、客観的な数値データに置き換えて管理し直す考え方です。

「色」を数値で捉えるデジタル測色

デジタル色管理の出発点は、色を「目で見て判断する」のではなく、専用の測色機で「数値として測る」ところにあります。

まず行うのが見本タイルのスキャニングです。お預かりした既存タイルを、高精度の測色機で読み取ります。この機械は、人の目のように環境の影響を受けず、同じ条件で安定して色を測定できるのが特徴です。

次に、読み取った色をデータ化します。測色機で取得した情報は、例えばLabという色空間上の数値として表現されます。Lは明るさ、aは赤から緑方向の成分、bは黄から青方向の成分を示すもので、「どのくらい明るいか」「どの程度赤寄りか」「どれだけ黄味があるか」といった色の要素を数字で表せるようになります。

そのうえで、データベースとの照合を行います。得られた色データを、リペアタイルラボが蓄積してきた膨大なカラーデータベースと照らし合わせ、どんな配合にすればその色に近づけるかをコンピュータが導き出します。

例えば、築30年のオフィスビルで、エントランスのブラウン系タイルを補修したケースでは、従来なら少なくとも数回の試作が必要とされていた色味でした。そこで見本タイルを測色し、L値、a値、b値を数値として取得。データベースから最適なレシピを割り出したところ、初回試作の時点で「ほぼ違いが分からない」レベルにまで再現できました。

この流れによって、これまで職人の頭の中にしかなかった「経験」や「感覚」が、再利用可能なデータとして蓄積されていきます。天候や照明、人のコンディションに左右されず、いつでも同じ前提で色を扱えるようになる、というのが大きな変化です。

2-1. 見える化がもたらす、お客様とのスムーズな合意形成

色が数値として「見える化」されると、お客様とのやり取りもかなり変わってきます。

まず、客観的な指標に基づく対話ができるようになります。例えば「今のサンプルはL値50、a値10、b値15です。もう少し赤味を強くしたいというご要望なので、次はa値を12にしたパターンでサンプルをお出しします」といった具体的な説明が可能になります。

これにより、「もう少し」「だいぶ」などのあいまいな表現に頼らず、「どの方向にどれだけ調整するか」を数字で共有できるようになります。管理組合側としても、「なぜその調整をするのか」「どのくらい変わるのか」を理屈として理解しやすくなり、判断がしやすくなります。

ある管理組合の理事の方は「色の話を数字とグラフで説明してもらえるので、『なんとなく』ではなく『こういう理由でこの色にしています』と住民にも説明しやすくなりました」と話していました。

さらに、スピードと再現性の面でもメリットがあります。一度決まった色はデータとして残るため、追加発注が必要になったときも、同じ条件で同じ色をすぐに再現できます。いちから色合わせをやり直す必要はありません。また、計算に基づいて配合を決めるため、無駄な試作が減り、見本作りから本生産までの時間も短縮できます。

従来なら色合わせに二〜三週間かかっていた案件が、デジタル色管理によって一週間前後で目処がついた、という例も出てきています。このスピード感は、工期が厳しく決まっている大規模修繕では大きな武器になります。

加えて、品質の均一性も向上します。数値に基づいて色を管理するため、ロットごとのバラつきが抑えられ、建物全体として見たときの統一感が出しやすくなります。仕上がりを遠目に見たときの「ムラっぽさ」を減らせるのは、外観を気にするオーナーや管理組合にとって大きな安心材料です。

このように、デジタル色管理は、「色」を共通言語にしてくれる仕組みだと言えます。コミュニケーションの質が上がることで、余計な不安や疑念が減り、プロジェクト全体がスムーズに進みやすくなるわけです。

3. リペアタイルラボが選ばれる理由:デジタル技術を核とした3つの強み

リペアタイルラボが、多くの管理組合や修繕担当者から声をかけてもらえているのは、「デジタル技術を使っているから」というだけではありません。その技術をどう現場のメリットに落とし込むか、という部分まで踏み込んでいる点が評価されています。

高品質:圧倒的な色再現性と対応力

まず大きいのが、デジタル色管理による色再現の精度です。

数値データをベースにしているため、「このくらいのイメージで」というあいまいな話ではなく、「このタイルの色をできる限りそのまま持ってきたい」という要望に真正面から応えやすくなっています。経年劣化で少し褪せた色味や、複数の色が混ざったような独特のトーンも、デジタル解析で特徴を抽出し、レシピに反映していきます。

例えば、築40年のマンションで、エントランスホールに使われていた深い濃紺のタイルが一部破損したケースでは、当時の製法も分からず、他社からは「再現は難しい」と言われていたそうです。そこでリペアタイルラボがタイルを測色し、データをもとに釉薬を調整。完成したタイルを並べてみると、住民の方から「どこを直したのか言われないと分からない」と言われるほどの仕上がりになりました。

また、対応できる色の幅も広く、ベーシックな色はもちろん、やや癖のある色調や落ち着いたトーンにも柔軟に対応できます。「これはさすがに難しいだろう」と感じるようなタイルでも、一度相談してみる価値は十分あります。

さらに、デジタル管理のおかげで品質のブレが少ないことも強みです。大量に作る場合でも、ロットごとの色味の差が抑えられ、安定した品質を維持しやすくなっています。

3-1. 短期間:従来の半分以下のリードタイム

次に、大規模修繕の現場で特に効いてくるのがスピードです。

色合わせの見本作りについては、従来二〜三週間かかることも珍しくありませんでしたが、デジタル色管理を使うことで、多くのケースで一週間前後まで短縮できています。試作回数自体が減るため、早い段階でお客様の合意を得やすくなります。

本生産についても、配合レシピがすでに決まっているので、段取りに時間を取られにくく、製造開始までのリードタイムを短くできます。

ある大規模マンションの案件では、全体工程の都合で、タイル補修に割ける期間がかなりタイトに設定されていました。複数社に相談する中で、「このスケジュールだと厳しい」と断られたところもあったそうですが、リペアタイルラボはデジタル色管理と生産体制を組み合わせることで、品質を落とさずその工程に合わせた納品を実現しました。

また、工事の途中で「思ったより破損タイルが多かった」「追加でこの範囲も直したい」といった状況になっても、追加発注にすぐ対応できるのもポイントです。色データさえ残っていれば、同じ色を再度作ることができるため、工程全体への影響を最小限に抑えられます。

3-2. 安心感:透明性の高いプロセス管理

そしてもう一つ、大きな価値になっているのがプロセスの透明性です。

色の評価については、感覚ではなくΔEという国際基準の色差指標を使い、「どのくらい既存タイルと近いか」を数値で示します。ΔEが小さいほど差が小さく、一定の値以下であれば、専門家でも見分けがつかないレベルだとされています。お客様には、この数値とサンプル現物を一緒に確認していただき、納得のうえで進めてもらう形です。

また、製造の進行状況もできるだけ細かく共有します。「今は測色と配合の調整中です」「明日から焼成に入ります」といった形で状況をお知らせすることで、「今どうなっているのか分からない」という不安を減らせるようにしています。

さらに、納品後も色データを長期的に保管しているため、数年後に追加の補修が必要になった場合でも、同じ色を再現できます。実際、数年前に一度補修を行ったマンションで、新たに別の箇所にひび割れが見つかった際、過去のデータをもとに同色のタイルを製造し、継ぎ目が分からないレベルで補修ができた事例もあります。

こうした取り組みによって、「ちゃんと数値で管理されている」「何かあっても将来まで対応してもらえる」という、長い目で見た安心感につながっています。

3-3. まとめ:デジタル色管理が切り拓く、タイル補修の新時代

ここまで見てきたように、リペアタイルラボのデジタル色管理は、単なる新技術というより、「タイル補修の進め方そのもの」を変えていく力を持っています。

従来のタイル補修では、どうしても「色はやってみないと分からない」「多少違っても仕方ない」といったあいまいさが付きまとっていました。その結果、試作のやり直しや、完成後の違和感、説明の難しさなど、目に見えないストレスが積み重なっていたと思います。

デジタル色管理によって、色は数値として扱えるようになり、「なぜこの色なのか」「どこをどれだけ調整するのか」を、誰にでも説明できる形で共有できるようになりました。これにより、

  • 色合わせの精度向上による仕上がりの安心感
  • 試作回数の削減による時間とコストの圧縮
  • 数値を使った説明による合意形成のしやすさ

といった効果が一度に得られるようになっています。

建物の老朽化が進み、これからますます補修や改修の重要性が増していくなかで、「どれだけ元のイメージを壊さずに直せるか」は大きなテーマです。その意味で、デジタル色管理のような仕組みは、今後のスタンダードになっていく可能性が高いと感じています。

リペアタイルラボは、この分野に早い段階から取り組んできたプレイヤーとして、今後も技術とサービスの両面でブラッシュアップを続けていくはずです。

大規模修繕やタイル補修で「色合わせ」に不安を感じているなら、一度こうしたデジタル色管理を取り入れている会社に相談してみるのは十分ありだと思います。数字に裏付けされた説明と、実物サンプルを見ていくうちに、「これなら任せられる」という感覚がきっと湧いてくるはずです。

     

この記事を書いた人

タイルラボ編集部山田

これまでのマーケティングやメディア運営の経験を活かし、タイルラボの魅力をより多くの方に伝える広報活動を担当します。岡野と連携しながら、リペアタイルラボをはじめとする各ブランドの価値を、より分かりやすく、より身近に届けてまいります

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